誕生石 – 12ヶ月の物語と大切な取り扱い方法

古くから人々に愛されてきた誕生石には、それぞれに美しい色や輝きだけでなく、意味や物語が込められています。
ここでは、12ヶ月の誕生石の「石言葉」「取り扱いのポイント」「豆知識」をご紹介いたします。
ジュエリー選びの参考にしていただければ嬉しいです。
1月|ガーネット – 実りと絆を深める石

静かに灯る焔のような深い赤色が印象的なガーネット。
ガーネットは、古くから「実りの象徴」として大切にされてきました。揺るぎない真実と友愛を意味し、目標に向かって努力する人を力強く支える宝石です。
◇石言葉
「真実」「友愛」「忠実」
◇ケア・取り扱い
モース硬度が高め(6.5∼7.5)の宝石なので比較的丈夫ですが、急激な温度変化はお避けください。日常のお手入れには、ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、柔らかいブラシで優しく洗うのがおすすめです。
◇豆知識
ガーネットは、種子を意味するラテン語の「granatum(グラナタス)」に由来すると言われています。古くは「旅人を守る石」として身につけられてきました。
2月|アメシスト – 心を落ち着かせ、誠実な愛を育む石

高貴な紫色をたたえるアメシストは、「愛の守護石」として知られています。心の平和と誠実さをもたらすとされ、身に着ける人に静かな安らぎと冷静な判断力を授けてくれるでしょう。
◇石言葉
「誠実」「心の平和」「高貴」
◇ケア・取り扱い
熱に弱く、長時間の日光にさらされると色が褪せてしまう(退色)可能性があります。保管の際は、直射日光が当たらない場所を選んでください。汚れが目立つ場合は、ぬるま湯と中性洗剤で優しく洗浄しましょう。
◇豆知識
アメシストとは紫色の水晶です。モース硬度は7と比較的耐久性があります。熱を加えることで色が変色する性質を利用してイエローのシトリンに変化させることもあります。
3月|アクアマリン – 海のように澄んだ癒しのブルー

海の水のように澄み切ったブルーが魅力のアクアマリン。その名の通り「海の水」を意味し、古代ヨーロッパの船乗りたちに航海の安全をもたらすお守りとして珍重されました。
◇石言葉
「幸福」「富」「聡明」
◇ケア・取り扱い
内部にインクルージョン(内包物)がある場合、割れるリスクがあるため、熱や超音波洗浄器の使用は避ける必要があります。普段のお手入れは、柔らかい布で優しく拭く程度に留めてください。
◇豆知識
鉱物的にはエメラルドと同じベリルグループに属します。大きな結晶で採掘されることが多く、宝飾品としても比較的大粒のものが見られます。
4月|ダイヤモンド – 永遠を象徴する輝き

地上で最も硬いという特徴を持つダイヤモンドは、永遠の愛と純潔を象徴する特別な宝石です。その不滅の輝きは、強い絆と揺るぎない決意の証として、世界中で愛され続けています。
◇石言葉
「永遠の愛」「純潔」「不滅」
◇ケア・取り扱い
モース硬度10で非常に硬い宝石ですが、靭性(粘り強さ)はそれほど高くなく、強い衝撃が加わると割れる可能性があります。他の宝石を傷つける恐れもあるため、他のジュエリーとは分けて保管してください。中性洗剤とぬるま湯での洗浄が可能です。
◇豆知識
非常に硬いため、「征服できない」を意味するギリシャ語の「adamas(アダマス)」が名前の由来と言われています。また、光の分散率が高く、虹色の輝き(ファイア)を生むこともダイヤの魅力の一つです。
5月|エメラルド – 愛と希望をもたらす、心を豊かにする石

新緑のように鮮やかな緑色が印象的なエメラルドは、世界四大宝石の一つに数えられます。幸運と新たな始まりを意味し、古来より知性と記憶力を高める石として尊重されてきました。
◇石言葉
「幸運」「愛」「新たな始まり」
◇ケア・取り扱い
モース硬度は7.5~8と比較的硬い宝石に分類されますが、内部に多くのインクルージョン(内包物)や微細な亀裂(フラクチャー)を含むことが多く、衝撃が加わると割れやすい傾向があるため取り扱いには注意が必要です。熱や乾燥、急激な温度変化にも非常に弱く、超音波洗浄は絶対に避けましょう。着用後は、柔らかい布で皮脂や汗を優しく拭き取り、乾燥しすぎない場所に保管しましょう。
◇豆知識
古代エジプトでは採掘された歴史があり、女王クレオパトラに愛されたことでも有名です。
6月|ムーンストーン – 月の光を宿す神秘の石

静かに夜空に浮かぶ月のように、穏やかで神秘的な輝きを放つムーンストーン。そのロマンチックな光は、持つ人に安らぎを与え、潜在的な魅力を引き出すとも言われています。
◇石言葉
「健康」「恋の予感」「長寿」
◇ケア・取り扱い
比較的デリケートな宝石であるため、急激な温度変化や強い衝撃など取り扱いには気をつけ、超音波洗浄機やスチームクリーナーの使用は避けてください。普段のお手入れは、柔らかい布で優しく拭くだけで十分です。汚れが目立つ場合は、ぬるま湯に中性洗剤を溶かしたものを使用し、柔らかいブラシで優しく洗い、水気を拭き取って自然乾燥させてください。
◇豆知識
光の干渉によって見える青白い光はシラー効果と呼ばれ、その神秘的な輝きが特徴です。ロマンチックな光沢から、古くから宝飾品として用いられてきました。
7月|ルビー – 情熱の赤が導く勝利の石

「宝石の女王」とも呼ばれるルビーは、情熱的な赤い色が魅力です。成功と富、そして情熱を象徴し、身に着ける人に活力を与え、カリスマ性を高めると信じられてきました。
◇石言葉
「情熱」「仁愛」「威厳」
◇ケア・取り扱い
モース硬度9と非常に硬い宝石ですが、ダイヤモンドと同様に強い衝撃は避けましょう。日常のお手入れは、ぬるま湯と中性洗剤で問題ありませんが、熱処理が施されている場合は、極端な温度変化に注意してお取り扱いください。
◇豆知識
ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つコランダムグループに属します。その名前は、「赤」を意味するラテン語の「ルベウス (rubeus)」に由来すると言われています。
8月|ペリドット – ポジティブなエネルギーで心を明るく照らす石

夜の照明の下でも輝きを失わないことから「イブニングエメラルド」とも呼ばれるペリドット。太陽の恵みを象徴し、夫婦の幸福と和合をもたらす、明るい希望に満ちた宝石です。
◇石言葉
「夫婦の幸福」「和合」「運命の絆」
◇ケア・取り扱い
熱に比較的弱い性質があり、酸にも影響を受ける可能性があります。超音波洗浄も避けるのが賢明でしょう。日常のお手入れは、ぬるま湯と中性洗剤で優しく洗い、柔らかい布で拭き取ってください。
◇豆知識
非常に古い歴史を持ち、古代エジプトでは「太陽の石」として崇められていました。モース硬度は6.5~7とされています。ネガティブな感情を取り除くサポートをすると言われています。
9月|サファイア – 信頼と深い知性を象徴する青い宝石

空や海を思わせる深い青が美しいサファイアは、誠実、慈愛、徳望を象徴する高潔な宝石です。知性や集中力を高め、持ち主を成功へと導く「天空のブルー」として尊ばれてきました。
◇石言葉
「誠実」「慈愛」「徳望」
◇ケア・取り扱い
モース硬度9と硬く丈夫ですが、強い衝撃は避けてください。一般的に日常使いしやすい宝石です。お手入れは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯と、柔らかいブラシで洗ってください。
◇豆知識
ルビーと同じコランダムグループに属し、酸化アルミニウムが主成分の宝石です。「青」を意味するラテン語「sapphirus(サッフィルス)」が語源とも言われ、ファンシーカラーと呼ばれる青以外の様々な色のサファイアも存在します。
10月|トルマリン – 多彩な色彩で希望を導く石

レッド、グリーン、イエローなど、虹のように多様な色彩を持つトルマリン。和名で「電気石」と呼ばれるように、独自の性質を持ち、インスピレーションの源やポジティブなエネルギーを運んでくれると言われています。
◇石言葉
「希望」「無邪気」「広い心」
◇ケア・取り扱い
比較的丈夫ですが、強い衝撃は避けてください。また、静電気を帯びやすい性質があるため、保管時にホコリを寄せ付けないよう注意が必要です。ぬるま湯と中性洗剤で優しくお手入れしてください。
◇豆知識
加熱や圧力が加わると静電気を帯びる圧電性・焦電性という特殊な性質を持ちます。また、豊富なカラーバリエーションは、複雑な化学組成によるもので、「存在しない色はない」と言われるほどです。ひとつの結晶に複数の色が混在するものもあり、バイカラーやパーティーカラートルマリンと呼ばれます。
11月|シトリン – 黄金色の輝きが運を呼ぶ石

太陽の恵みを凝縮したかのような温かい輝きが魅力のシトリン。古くから「富と繁栄の象徴」として大切にされ、身に着ける人に自信と希望をもたらし、明るい未来を照らしてくれると言われています。
◇石言葉
「繁栄」「富」「成功」
◇ケア・取り扱い
熱に弱い性質があるため、高温になる場所や直射日光が当たる場所での保管は避けてください。衝撃にも注意し、普段は柔らかい布で拭き取るなど、優しくお手入れしましょう。
◇豆知識
黄色やオレンジ色を持つ水晶(クォーツ)であり、その名前は柑橘系の果物(シトロン)に由来すると言われています。古来より富と商売繁盛をもたらす石として親しまれてきました。天然のシトリンは比較的稀少です。
12月|ターコイズ – 旅の安全と友情を守る、幸運の守護石

壮大な空の色と、大地が持つ力強さを併せ持つターコイズ。人類が愛用した最も古い宝石の一つであり、勇気を与え、特に旅の安全を祈るお守りとして、古くから親しまれてきました。
◇石言葉
「成功」「繁栄」「旅の安全」
◇ケア・取り扱い
多孔質で水分や油を吸いやすく、化学薬品・強い熱・湿気・乾燥に弱いため、非常に扱いに注意が必要です。お手入れは、柔らかい布で軽く拭くか、ぬるま湯と中性洗剤でやさしく手洗いし、よく乾かしてください。他の硬い石とぶつけないよう、柔らかいポーチ等での収納が望ましいです。着用したままの入浴や手洗い、温泉などは避けてください。
◇豆知識
人類が採掘し使用した最も古い宝石の一つとされ、「トルコ石」とも呼ばれます。紀元前5000年頃のエジプトの遺跡からも発見されています。古代では神聖なものとして扱われ、装飾品だけでなくお守りとしても大切にされてきました。
